うろちょろ・ザ・ワールド

ワーホリビザでいろんな国に住んでみたり、バックパックで旅したり。since 2017~

アラブの本気。砂漠で死にそうになる。

 

目的地のインドまでは、セルビアのバルグレードからアラブ首長国連邦アブダビで一旦トランジット。

アブダビに到着したのは深夜2時。

フライトの都合上夕食をを逃してお腹ペコペコの私たちはアブダビの空港でシャワルマでも買おうと期待を膨らませていたのですが、いざ着くとご飯を食べられるお店がなにもない。

仕方ないので売店で1週間分くらいのスナックを買い込んで深夜のお菓子パーティーをすることにしました。

ものすごいスピードでお菓子の袋を次々開けながら、無言で食らいつく私たちの光景を続々通りすがる空港職員グループに横目で見られながらお腹を満たします。

 

f:id:ichipashi:20221108073453j:image

 

インドのコチへのフライトはこの日の午後2時半。

約12時間のトランジットなので、まずは空港で軽く仮眠を取ります。


f:id:ichipashi:20221108073458j:image

 

取ろうとします。


f:id:ichipashi:20221108073505j:image

 

予想通りアブダビも肘掛けなしの座椅子が全くなく、空港による空港泊ストライキが起きていたので私たちもストライキストライキをします。


f:id:ichipashi:20221108073511j:image

 

試行錯誤を重ねるドミ。

反対側の座椅子で全く同じことが行われてるんですけどね。

周りで寝ている人もちらほらいるので無言で。


f:id:ichipashi:20221108073449j:image

 

難航している模様。。

 

f:id:ichipashi:20221108073520j:image

 

30分くらい葛藤したあげく、苦肉の策でこの体勢に落ち着いたドミは、誇らしそうな顔ですーすー寝てました。

肘掛け部分にお腹を当てて全身をくねらせ、隙間を最大限に生かしつつ、肘掛けの隙間に脚を入れて脚を伸ばすスペースを作り肘掛けがあることを感じさせないという圧倒的な頭脳戦勝利です

私も真似っこしてこの体制で就寝です。

"Work smarter, not harder."「懸命にではなく賢く働け」とはまさにこういうことですね。

 

風邪をひいて鼻水が止まらないのと、私の座椅子の真上のエアコンがガンガンに効いていて凍えてた私は2時間も仮眠が取れず。

7時にはドミも起床して作戦会議をします。

フライトチケットを購入した時は、「12時間もトランジットがあるから、街に出てお昼ご飯にシャワルマでも食べよう!」という話だったのですが、ここで発生した問題はバス

1時間おきに市内と空港間のシャトルバスがあるというのはリサーチ済だったので寝不足のむくみ顔でバスチケットを購入しに向かった私たち。

チケットの自販売機でチケットを購入しようとしたものの、一回利用のチケットが見当たらない。。

仕方なくカウンターに出来た列に並び、待つこと1分、3分、10分。。

 

f:id:ichipashi:20221108081430j:image

 

こういう感じの職員のアラブの男性(以下アラブ)がデスクに膝をつきながらパソコンと睨み合いをして黙って座っている。

私たち含めて列に並ぶ5人の頭上に大量に浮かぶ「?」。

先頭の男性は何語かわからない言語で黙って座り込む職員に話しかけるものの、素晴らしいガン無視を披露するアラブ。

ものすごいガン無視だな、と思っていたその時、突如アラブが右手でチケット販売機をピーンッと指差し、

 

f:id:ichipashi:20221108081430j:image

「パソコンが動かねえんだよ!!!」

 

と空港が静まり返るほどの大声量でブチギレかましてました。

私は怒鳴って声を上げる男の人が指3本に入るくらい大嫌いなので、バスに乗る気もシャワルマを食べる気も完全に失せましたね。

完全に目は覚めましたけど。

じゃあこの辺で他に出来ることないかなーとドミと地図を確認すると、徒歩圏内にショッピングモールが!

さっそく歩いて向かいます。

 

徒歩圏内とはいえ、空港から最短距離にあるショッピングモールまでは徒歩40分。

私もドミも歩くのが苦痛じゃないタイプの人間なので、私たちにとっての徒歩圏内は低く見積もって1時間くらいなところです。

特に旅中はお金も節約できるし健康的だし街の細かいところまで見られて一石三鳥なのです。

「まだ朝の8時だし、中東は暑いっていうけどまあなんとかなるよねー」とアラブを甘く見ていた自分を砂漠に埋めたくなるほど灼熱のアブダビ

エアコンで冷え切っていた私の身体は空港をでてものの5分で煮えあがり、ゼェゼェしながら歩く私たち。

超睡眠不足からの早朝のこれは拷問としか思えなかったですね。

タクシー捕まえれよって話なんですけど、なんせ私たちにとっては気温40度の砂漠であれ40分は徒歩圏内なのでここでクシーにお金使えば負けだと励まし合い、私たちは死ぬ気でショッピングモールへ歩き続けます。

 

まあそれにしても、外に誰もいない。

 

f:id:ichipashi:20221108100011j:image

 

私たち以外本気で誰も歩いていない。。

 

f:id:ichipashi:20221108095854j:image

 

アラブ出身のアラブたちにとってもこの気候は暑すぎて外に出るのは危険だと承認済みみたいですね。

何台ものタクシーの運ちゃんが私たちに向かってクラクションを鳴らしてきて、その度にノーサインを送る私たちをモンスターを見るような目で不思議そうにじろじろみていた!

確かに整備された歩行者用道路もなくて、うちらは車道の横の砂利の上を歩いている。

見かけたのは空港近くの工事現場で働くインド人やパキスタン人の移民労働者たち数人。

なんせドバイの人口の90%が外国人だという。

家族を支えるために自分の国を出て、汗水垂らしながら夏場には50度にもなる灼熱の太陽の元、限界の中で働く出稼ぎ労働者の人たちの横を通り過ぎてなんだか心苦しくなったなあ。

一部に偏り溢れるお金と、富まぬ人たちの素朴な営み。

お金持ちのアラブたちはエアコンがガンガン効いた車でそんな人たちの横を走り去っていく。

 

f:id:ichipashi:20221108083333j:image

 

ただ歩いてるだけで5秒後に他界しそうなくらい暑いのに、肉体労働をしているかっこいい男の背中に励まされて、ドミとも励ましあってようやく到着したショッピングモール。


f:id:ichipashi:20221108083345j:image

エアコン効いた屋内に入った瞬間泣きそうになりましたね。

ラソン完走したみたいな達成感最高でした。

完走したこともマラソン走ったこともないけど!

 

ショッピングモールにある巨大スーパーマーケットでまずは朝ごはんを買い込んでフードコートでちゃんとした食事にありつきます。

インドでスパイス漬けになる前に、ノースパイスご飯の食べ納めをしようとドミと話をしていたんだけど、結局ドミは余裕でビリヤニ買ってました。

ビリヤニおいしいよね。

 

朝ごはんを食べた後はまたスーパーに出戻りしてアラブの食生活を覗き見したり、お昼ご飯とお菓子を買い込んで地獄の復路に戻ります。

この時点で12時前なのでお天道様カンカンですね。

想像するだけで熱中症になりそうなくらい怖くなったので、私はお腹いっぱいにも関わらずアイスを買っていざ灼熱の世界へ。

5秒で溶けたアイスを頼りに歩くこと10分、私に異変が起こります。

満腹になった直後に歩き始めた為に腹痛が起こる。

風邪のせいで鼻水が止まらなく流れて、鼻がブロックされているので鼻呼吸が出来ず完全なる口呼吸に。

実質砂漠を歩いているので、脱水症状を防ぐためにドミがこまめに水分を取るように面倒を見てくれていたものの、お腹いっぱいで水分もろくに胃に入らず水を飲めば口呼吸も不可能になって呼吸口が途絶える。

そんでもって太陽本領発揮しすぎてます。

完全に熱中症になりました。

アラブ諸国で荒ぶる私。

頭がぼーっとしてフラフラして倒れる手前です。

残り20分はほぼどうやって空港まで辿り着いたか記憶にないですね。

タクシー捕まえようと考えたものの大事な時に限ってタクシーがいなかった!

朝はあんだけ大量にいたやん!

ドミが私のバックパックまで持ってくれたり、私のために何度も止まって献身的に面倒見てくれたりしたおかげでなんとか無事空港までたどり着いた私たち。

空港手前の最後の5分くらいは完全に頭の中でZARD「負けないで」が流れてましたね。

負けなかったよ。。

 

本来ショッピングモールというものに全く興味がない私たちが盛大にショッピングモールを楽しみ、完全にアラブの本気を見せつけられました。

しばらくアラブとは距離をおきたいと思います。

カレーが世界で一番好きな食べ物である私が、夢の国であるインドに行く手前で死ぬかと思った日。

私の命を救ってくれたドミに頭があがりません。

 

f:id:ichipashi:20221108094058j:image

 

ギリギリでコチ行きのフライトにチェックインできた私たち。

コチ到着後はまさかのサプライズが待っていました〜。

 

ではでは。