夢の国へ。インドのウェルカムサプライズ。
熱中症でぼーっとしていた頭もエアコンガンガンの機内でしっかり冷え切り、5時間のフライトを経て南インドのコチン国際空港に到着。
インド。
今回ようやく訪れることが出来たこの国は私にとってとっても特別な国なんですね。
行ったこともないのに夢の国ってずっと呼んでます。
みんなにとっての夢の国はディズニーランドでも、私にとっての夢の国は頑なにインドなのです。
理由は、
カレーが世界一好きな食べ物だから。
間違いなくこれが答えですね。
カレーです。
もちろんそれ以外にも私を惹きつける魅力はたくさんあるけれど、一番大きな理由は間違いなくカレーです。
バックパックで旅することに強く魅了され始めた4年前。
それから夢中でいろんな人の旅本、旅ブログを読み漁ったり、旅友達の旅話を聞いたり。
色んな国のストーリーを書く中でもインドは常に私の右脳を支配していたんですね。
カレーから人々の暮らしからムンバイの列車から死体で溢れる聖なるガンジス川から、私の冒険心をくすぐり散らかしてやまない魅惑の国。
そんな中でも私が最初に選んだのは南インド。
今回は「インドの楽園」と称される、南インドの最南部に位置するケララ州をメインにじっくり旅をする予定。
気候も穏やかで、ヤシの木からバナナの木、南国の植物と自然に囲まれたインドのリゾート地。
教育水準も高くて、識字率はインド一なんだとか。
なによりインド人含めみんなが口を揃えていうのが、ケララは人が良い!
6年前、一人旅の最初の土地にインドを選び、大洗礼を浴びてインド嫌いになったドミ。
カレーという食べ物も知らなかったくらい何のリサーチもなくインドに飛び立ったという。
インドに対する基礎知識もなく完全無防備だったドミ。
ぼったくられたり、トゥクトゥクに拉致されたり、大量のインド人に追いかけられたり、ゲイにレイプされそうになったり色々あったみたいだけど、南インドではいい人に出会っていい経験をしたらしい。
インドは特別な国なので、いろんな意味で準備ができた人だけが楽しめる国なんだろうなーと思っている。
よく「行きは2人、帰りは1人」って言われるくらい、ハードルの高い国。
基本的に何ひとつ予想通りにいかないってことが理由なんだと思うけれど。
たくさん旅して色んな経験をして旅慣れしたドミも、このタイミングでインドに戻って自分の変化と成長を見られるのが楽しみなんだって。
私も準備万端だー!
インド行きの飛行機の中でも仮眠を取り損ねた私は、瀕死状態のままコチン国際空港に降り立ちそのまま入国審査へ。
今回私たちは1ヶ月のEーvisaを取りました。
インドの電子観光ビザは3種類あって、その中から自分の観光目的に適したものを選んで申請します。
期間の区切りは30日、1年、5年。
もうこの時点でおもしろいですね。
観光期間5年。
ちなみに、日本は世界でも唯一アライバルビザ(空港到着時に取得するビザ)が取得可能な国なんですね。
60日間滞在出来ます。
とはいえここはインドという国、何があってもおかしくないので、事前にオンラインでビザの申請済ませることにしました。
3日後にはビザ承認のメールが届いたのでそれをプリントして持参するだけ。
ちなみにインドビザは取得に必要な質問項目が必要以上に多ければ質問内容もおかしくて有名なんだけれど、本当に噂通りでおかしくて面白かったです。
入国歴があればそれ以上に変な質問が増えるらしく、ドミは私の2倍の時間をかけてインドの悪口を言いながら質問と睨めっこしてました。
ゾッとします。
今回私たちはビザのプリント用紙、PCR検査の陰性証明書、エア・スヴィダの自己申告フォーム登録とそのプリント用紙を用意していきました。
旅の経験が私よりも豊富で、同時に空港で入国に手こずった経験も豊富なドミはフライト関係に対しては慎重派。
なんとかなるっしょ主義(面倒くさがり)の私に対して、しっかり全書類をプリントして準備万端状態にし、ストレスを溜めない主義のドミ。
しかし目の前に並んでいたロシア人が入国審査を受けている最中に、ドミは大事なことに気付きます。
「…ダミーチケット取るの忘れた…」
インドは入国の際、帰りのチケットか他国への出国チケット(リターンチケット)の提示が基本求められるんですね。
不法長期滞在を防ぐためです。
6年前に同じくここコチン国際空港からインドに降り立ったドミは、入国審査の際一人個室に連れて行かれ、1時間拷問のように質問攻撃を受けたあげく、あやうく入国拒否を受けるところだったらしい。
そのトラウマでいつも以上に慎重になっていたものの、出発直前まで詰め詰めのスケジュールだったあげくの果て、2人ともすっかり忘れてました。
ちなみにダミーチケットというのは、帰国の予定が立てられない人が入国審査を通過するためのいわば仮のリターンチケットみたいなものです。
どうするどうする言ってる間に目の前のロシア人が審査を済ませて私の番が来ちゃったので恐る恐る審査官の元へ。
椅子まで置かれている時点で長丁場を覚悟させます。
椅子があるイミグレなんて見たことないですね。
私の経験上、リターンチケットの提示なしにすり抜けられたことはあるけれど、提示を求められれば拒否することはできません。
「なんせここはインドだし、必要書類以外まで求められるかもなあ」と思っていたら。。
なんにも聞かれなかったー!
おじちゃんみんなずっとニコニコしてるし!
「日本はいい国なのになんでこんなところにいるんだ!」とかたくさん母国を褒めてくれたりもしました。
隣の審査員のおじちゃんは審査中にサッカーの話とかしてるしね。
聞いてたインドと全然違う!
ドミもびっくり。
6年前に来たときは、飛行機に乗る白人は全員インド人だったそう。
到着口を出た直後から空港中のインド人の視線を一斉に浴びて、そのままドミに向かって大量の人たちが勢いよく押し寄せてきても写真を撮られたり身体を触られたり揉みくちゃにされたんだって。
6年後の2022年、コロナ明けのインドは全く別の顔してました。
インドも成長したのかもしれないね。
誰も追いかけてこないことが無性に嬉しそうなドミ。
そんなわけで入国審査を済ませた後は空港でSIMカードをゲット。
これもスムーズに3分で終わるという、日本以上の効率の良さと簡易さを披露してきます。
聞いてたインドと全然違う!
私たちが到着した頃は夜の8時を過ぎていて、携帯会社が既に閉まっている為開通作業が翌日の朝8時以降にしか出来ないとのこと。
「明日の朝自分でやってね〜カンタンダヨ〜。」とおじさんに呑気に言われ、500ルピーを支払います。
初っ端から既にぼったくりに合っているのかもしれない。。と疑いの目を向けていた私だったけれど、次の日何の問題もなくカンタンに開通出来ました。
しかも翌日にちゃんと開通できたか連絡までくれた!
予想をいい意味で裏切られて快適そうなドミの横で、私はなんだか物足りないような気持ちになりながら
宿泊先まで向かいます。
エアコンが効いた空港を出た瞬間に全身に押し寄せる蒸し暑さと空気、嗅いだことない土地の匂い。
アジア独特の生きるエネルギーを細胞で感じる。
この感覚を味わうたびにいつも生きてるなあと実感するんですね。
さて、最終便とされる21時5分発のバスに乗らなくてはいけない私たち。
バス乗り場を示す看板も何もないので、バス乗り場らしき場所を探していると2つのバスが停まる広場を発見。
1つのバスに大量の男性が押し寄せているので、きっとこれが私たちのパスだろうと運転手に確認しようと話しかけると、
ガン無視です。
英語が話せないのかと思ったものの、振り向きさえもしてくれない。
「おーーい」「おーーーーーい」と辛抱強く話しかけ続ける私たちに対して1ミリも動じないガン無視のプロ。
そんな私たちを見かねたのか、隣のバスの運転手が「どこまで行きたいんだ」と私たちに声をかけてくれます。
行き先を伝えると、「15分後にこのバスが出るからこれに乗っていけ」とのこと!
どういう仕組みなのかよくわからないけど、優しい運転手さんに救われて無事バスに乗り込むことに成功。
私たちの宿泊先を伝えると、目的地までの交通手段を何パターンも教えてくれたり、「降りるとき教えるからここにいてな」と運転席の一番近くに私たちを座らせて、周りのインド人から守るように面倒見てくれた運転手のおじちゃんと運賃回収のおばさん。
インド人めっちゃ優しいー!
バス運賃は30ルピー。
50円くらいですね。
安っ。
目の前のおじちゃんの財布が紙パックのジュースで一目惚れしました。
これが本物のサステナブル。
駅で降ろして貰い、バスからメトロに乗り換え。
チケット12.5ルピー。(22円)
安っ。
メトロからトゥクトゥクに乗り換えて、約2時間かけて宿泊先に到着したのは23時。
脳内で何度も旅した国についに足をつけている。
こうやってやりたいことができる環境が与えられていること、自分の夢を応援してくれる人がいる自分は幸せ者です。
インドでまた色んな経験積み重ねて、レベルアップできるといいな。
移動で疲れていたけど興奮した気持ちが収まらないのと、夜な夜な蚊が大はしゃぎして私の血でパーティーを楽しんでいたので初日の夜は朝まで寝つけませんでした。
今日から1ヶ月間、カレー漬けの日々が始まる!
最高だーーーーーい!
ではでは。